体が疲れているんだけど、仕事や勉強でもうひと頑張りしなければならないときに、よくコーヒーを飲みます。眠気さましや、集中力アップは本当にコーヒーで可能なのでしょうか。コーヒーに含まれる主な成分には数百の物質が含まれています。このうちどの成分がそのことに関係しているのでしょうか。
コーヒー豆は、熟したコーヒーの実の種子の部分をいいます。実を乾燥させたり、洗ったりした後、脱穀機で外皮と果肉を除いたのが生豆といいいます。
このコーヒー生豆を焙煎すると、独特な香りがただよいます。この香りの正体は、約20種類の物質が含まれ、ピラジンという揮発性の物質が主成分で、コーヒー豆のアミノ酸と糖分を焙煎によって変化させたものです。
ピラジンは植物などの含まれる香りの成分で、精神を安定させて、血液をきれいにしてくれます。
焙煎とは、コーヒー豆を180℃~230℃で15分から20分間加熱することです。深煎りとは、より高温で長く焙煎すりことです。 焙煎する温度や時間によって中煎りなったり、浅煎りとなったりします。
最近の研究でコーヒーの香りがリラックス効果や集中効果を与えることが研究でわかってきました。コーヒーの好ききらいにかかわらず、コーヒーの香りをかぐだけで人がリラックスしたときにあらわれる脳から出るα波が強くなることが認められました。
リラックスしたいときには深煎りコーヒー豆がよく、ブルーマウンテンとグァテマラという種類の香りには多くα波があらわれるようです。
また、仕事や勉強に集中したいときは中煎りのコーヒー豆が良いということもわかりました。 中でも、集中力が良くなったコーヒーは、ハワイ・コナ、ブラジルサントス、マンデリンという種類の香りでした。ただ、先のリラックス効果が高い豆については、集中力が上がらかったそうです。
カフェインは、神経への作用して起こります。様々な神経に働き、通常の量(カフェイン50mg)であれば、 眠気を覚ます覚醒作用や利尿作用、骨格筋の持久力を高める作用があります。
覚醒作用では、大脳新皮質や辺縁系の神経に対する刺激によって、眠気がとれ、集中力が維持されます。 ただ、集中力低下をおさえるだけで、その人の普段以上の集中力は発揮できません。
また、単純作業では効率をあげますが、思考力を伴うような作業の場合はかえって効率が下がってしまいます。
強心作用では、脳幹に対する刺激によって、心収縮力や心拍数が上がります。血管の拡張効果も出てきます。
利尿作用では、強心作用や血管の拡張効果から腎臓を通過する血液量が増え、尿の量が増加します。
骨格筋作用では、骨格筋収縮力や疲労抵抗が高まるため、運動能力が維持され、ともなって持久力が高まります。
カフェインをたくさん摂取すると、より眠気を解消しより集中力が高まりそうですが、一度にカフェインを200mg以上(個人差がある)を一度に摂取すると、不眠を引き起こしたり、不安感を増大させることがあります。 また、パニック障害などの精神障害のリスクを高めることになります。
カフェインは疲れに対して鈍感になっているだけで、本当は疲労を回復できていません。疲れを感じないようにしているだけで、体を使った分だけ疲労は蓄積されています。このことをよく認識したうえで、コーヒーを飲みましょう。
今から仕事や勉強に集中したいときは、中煎りのハワイ・コナ、ブラジルサントス、マンデリンなどのコーヒーの香りをかぎ、その後コーヒーを飲むと良いでしょう。
カフェインの効果には時間的に限界があり、およそ4時間です。最初に飲んでから4時間経過後、もう1杯コーヒーを飲めば手中が持続することができます。
カフェイン量は、400mg以上の飲料で不眠を引き起こす人がいるので、 コーヒーは1日3杯程度までを目安で飲みましょう。
すごく疲れているときは、20分ほど仮眠をとるのが効果的です。仮眠をとる前にコーヒーを飲むと、カフェインが20分後に体内に吸収されて、覚醒効果より、すっきり目覚めて仕事や勉強にまた取り組めることができます。
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