腸内ガス
腸内ガスを作るのは、大腸にいる腸内細菌です。食物が大腸に入ると腸内細菌が分解します。大腸の前半部分の上行結腸のあたりでは善玉菌が多く、炭水化物などを分解してガスをつくりますが、臭いがなく毒性もありません。その上、腸を刺激してぜん動運動を活性化させます。
しかし大腸の後半部分に行くにつれて悪玉菌が増えてきます。悪玉菌は肉などのタンパク質を分解し、窒素化合物や硫黄酸化物などのガスを発生させます。このガスは臭くて毒性があります。タンパク質を適量に食べていれば、小腸で分解されて大腸までいくことはありません。
タンパク質を摂りすぎたり、質の悪いタンパク質をとると大腸で悪玉菌のエサになり、悪玉菌を増やすことになります。便やガスは大腸の後半部分にたまりやすく、その部分で悪玉菌が増え続けると発がん性物質を増殖することになります。実際に大腸がんは、S字結腸や直腸などの大腸の後半部分で発生することが多いです。
大腸下垂
便秘やガス腹の原因は大腸の下垂です。大腸は下腹を一周するかたちで存在して、上行結腸、化行結腸、直腸の部分は固定されています。しかし、横行結腸やS字結腸は体に固定されていません。
そのため、横行結腸がたわむように下垂したり、S字結腸がねじれてしまったりすることがあります。すると腸が伸びてしまって長くなり、中の便が移動しにくくなります。ひいては便秘しやすくなり、腸内ガスもたまりやすくなります。
腸管には平滑筋という筋肉がぜん動運動して便を押し出しています。この平滑筋が衰えると、腸がだんだんと薄くなり伸びて、下垂します。腸が薄くなって下垂すると腸の動きが悪くなるので便秘に拍車がかかります。
腹筋が強い人は平滑筋も強く、腸が下垂しにくいようです。反対に腹筋が弱い人は腸が下垂し、下腹が前にぽっこり出ています。 下垂した腸を元に戻し、腸の動きをよくするには腹筋を鍛えるのもひとつの方法です。
大腸下垂による便秘やガス腹の解消には、10秒間の逆立ちが効果があります。両手だけでなく、壁などを使って足を高くするだけでも良いです。こうすることで、垂れ下がった
大腸が元の位置に戻り刺激となって、便とガスが出やすくなります。
また、下半身の血液・リンパの滞りも解消されるので、冷えやむき身も解消されます。
以下に紹介する運動は、垂れ下がった大腸をもとに戻す運動です。食後2時間を避けて、朝晩2回を目安に行います。また、便秘やガス腹で困っていときに行いましょう。腰などに痛みが現れたら、無理をせずにすぐ中止しましょう。
御尻上げ下げ運動
床にあお向けになり、ひざを立てます。この状態でゆっくりとおしりを持ち上げて、10秒保ってから、ゆっくりと降ろします。おしりを上げる、降ろすを5回繰り返します。
肩倒立
床にあお向けになります。両足をそろえて天井の方へ伸ばします。両手は腰に当て、両ひじと肩で体を支えます。10秒間この姿勢を保ちます。
3点倒立
床に正座し、額と両手のひらを床に押し当てます。両手をそろえてゆっくりと天井に伸ばします。頭と両手のひらで体を支えます。10秒間この姿勢を保ちます。
腸を温める
大腸にガスがたまると、おなかの張りだけでなく、背中や脇腹に差し込むような痛みが生じることがあります。ガスが周囲の器官を圧迫するためです。
こうした症状を早く解消させるには、おなかやおしりを温めることが効果的です。カイロや湯たんぽ、電気あんかなどで温めましょう。大腸を温めることで、動きが活発になります。ガスが移動し、周囲の器官への圧迫が解消して、痛みも消えていきます。
ガス抜き体操
仰向けに寝てお腹をひねる体操や膝を抱えて両腕をゆるめていく体操がいいです。この体操の要領は深く息を吐きながら。ゆっくり行うことです。
大腸は自律神経のうちの心身をリッラクスさせる副交感神経にコントロールされています。ゆっくりと体操することで、副交感神経が刺激され、腸の働きを活発にします。また、息を深く吐くことで横隔膜が大きく動き、腸を動きを促進することになります。
ガス抜きのための食事
ガス腹に悩まされる人は、1回の食事の量を少なめにし、回数を増やすといいでしょう。
また、腸内に大量の食物繊維が入ってくると、中で停滞してガスが発生します。繊維質のものの多い食品も、かえってガスを停滞させますので、気を付けましょう。
痩せる理由から、油脂類をほとんど口にせず、サラダなどで一度に大量の食物繊維をとる人に便秘やガス腹が多く見られます。必要な油分は摂取しましょう。油脂類は、便の滑りをよくして排便をしやすくするために必要だからです。腸に効く食品はいろいろあります。1種類の食品に偏ることなく食べるようにしましょう。
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