そもそも食物繊維とは「ヒトの消化酵素では消化されない食品中の難消化性成分の総体」と日本食品標準成分表にはこう書かれています。人は食物繊維を分解できる消化酵素がないため、食物繊維は吸収して栄養にすることができないものなのです。
食物繊維は人間の体には消化・吸収できないものですから、消化に時間がかかり、消化・吸収できないものが便になるので、便秘症の人には必要なものになります。
食物繊維は消化酵素で分解されないから特殊な物質からできている思われがちですが、実は糖質であるデンプンと同じように「糖」を基本単位から構成されています。消化酵素で分解される「糖質」になるか、分解されない「食物繊維」になるかを決めるのは、糖の種類と糖のつながり方で決まります。
その食物繊維ですが、意外と知られていませんが、水への溶けやすさから不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類の食物繊維があります。
食物繊維の水への溶けやすさは主に糖のつながり方によって決まります。糖が枝分かれしてつながっている食物繊維は主に水溶性で、糖のつながりが長いものはヌルヌルした食感をしています。一方枝分かれせずにつながっている食物繊維は水に不溶性のものが多く、ザラザラした食感をしています。
不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維で、セルロースなどの多く含まれるキャベツやレタスや根菜類、穀類やいも類、豆類などのが多く含まれています。サラダにはこれが多いです。
水溶性食物繊維は水に溶ける食物繊維で、昆布やわかめ、低分子アルギン酸ナトリウムの多い海藻類やリンゴやバナナなど熟した果実に多いペキチンを含む食材、グルコマンナンを含むこんにゃくなどです。
腸の中を掃除するのはどちらかというと、不溶性食物繊維です。繊維が折り重なって網目の構造をつくるためすきまに水を取り込むことができます。水を吸収することで体積を増やして大腸を刺激して、排便を促します。
しかし、不溶性食物繊維は、善玉菌のエサにならないし、胆汁酸を大腸に運ぶわけでもなく、便のカサを増やすだけですから、重度の便秘の方はとりすぎには、注意が必要です。
一方、水溶性食物繊維は大腸にすむ「乳酸菌」や「ビフィズス菌」などのえさになります。乳酸菌やビフィウズス菌が増えると、毒素やガスをつくる腸内細菌を減らす作用があるため、おなかの調子を整えることになります。また、自然の便秘薬である胆汁酸を大腸まで運んでくれます。
乳酸菌やビフィウズス菌は、水溶性食物繊維を分解して「短鎖脂肪酸」に変えます。短鎖脂肪酸は、大腸の粘膜から吸収され粘膜のエネルギー源になり、水やミネラルを吸収する粘膜の働きを活発にします。要するに腸をとても元気することができるのです。
また、短鎖脂肪酸は肝臓や脂肪組織で脂肪の合成を調節したり、小腸から食欲を抑えるホルモンが分泌するのを促したりします。
他にも水溶性食物繊維は糖質や脂質を包み込んで、糖質や脂質を小腸で消化酵素で分解するを邪魔をします。つまり、糖質や脂質の吸収を抑えてからだを太らないようにする効果があるということです。
食物繊維というと「生野菜」「サラダ」など不溶性食物繊維ばかりを食べて、水溶性食物繊維が不足でかえって便秘を悪くしている人が多いのではないでしょうか。不溶性食物繊維は水に溶けないので、水分を多くとらないと便が固くなってしまったり、腹部の膨満感が強くなったりします。
また、慢性便秘症の人が、玄米食を中心とした食事をとることで、便秘の症状を悪化させている場合があります。 例えば便秘解消として全粒穀物や温帯性の野菜を大量に摂るりますが、そうすることで不溶性食物繊維が多い食物を大量にとることになり、結果的に便秘を悪化させるケースが多いのではないでしょうか。
便秘症の人は水溶性食物繊維の方の物をたくさん食べることが、お通じを良くするのことになります。昆布やわかめ、海藻類、リンゴやバナナ、柑橘類、こんにゃくなどを食べるように努めましょう。
どのぐらいの目安で食物繊維を食べればいいかというと、ベストの食物繊維のバランスは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の摂取量の割合は2対1になるようにしてください。そしてトータルで成人男性で1日20g、成人女性で1日18g以上食物繊維を摂取しましょう。
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