食物アレルギーと言えば、食物を食べるとすぐにじんましんが出る、呼吸が苦しくなるなどを重い言付きます。これらすぐに症状が現れる食物アレルギーを即時性食物アレルギーといいます。
一方、食べて数時間後~数週間後にアレルギー症状がゆっくりと遅れて出てくるケースを遅発性食物アレルギーといいます。
遅発性食物アレルギーは、慢性疲労、頭痛、めまい、眠気、不眠、イライラ、うつ、肩こり、便秘、下痢、肌荒れ、にきび、アトピー性皮膚炎などの日常よく見られる症状に現われます。
本人も食物アレルギーと気づかないまま、原因不明の不調に悩ませることが、少なくありません。
遅発性食物アレルギーには、2つの型があります。ひとつの型は、食物そのものが主な原因です。特定の食べ物(卵白、卵黄)に強い反応がありますが、他の食べ物にはアレルギー反応がありません。
日本人がアレルギーを起こしやすいのは、卵、牛乳、ヨーグルト,ガゼイン、チーズ、製パンイースト菌(酵母)などです。
特定の食物の食べすぎが問題なので、その食物を一定期間だけ食べないようにすれば、アレルギー反応が弱くなるのが、大きな特徴です。
もう一つの型は腸粘膜が崩れてしまっていることが原因になります。特定の食物だけでなく、ほとんどすべての食物にある程度のアレルギー反応が見られます。
これは、なんらかの理由で腸に炎症が起こり、栄養を吸収する穴が大きくなり過ぎてしまうことがあります。これをリーキーガット症候群といいます。
通常は、吸収されない未消化のタンパク質なども腸から取り込まれてしまいます。そのような大きな分子は、本来血液中の中には存在しないので、アレルゲン(アレルギーの原因物質)と認識されます。それが、過剰になってくると、遅発性食物アレルギーの症状が現れてきます。
食物アレルギーは、通常は害のない食物に対して、体に備わる免疫のしくみに反応してしまい
、抗体(免疫グロブリン)という物質を大量に作り出すことで引き起こされます。
即時性アレルギーに関与するのは、IgE抗体です。IgE抗体は、ヒスタミンなどの物質を放出させ、じんましんやかゆみ、くしゃみなどの症状を引き起こします。
一方、遅発性にはIgGという抗体が関わっています。IgGはアレルゲンと結合すると、免疫複合体と呼ばれる物質を形成します。免疫複合体は、血流に乗って体内を循環し、いろいろな臓器や組織に運ばれます。そこで蓄えられ、限度を超えたときに症状が出始めます。
腸が炎症を起こす原因としては、食品添加物、細菌、真菌、化学物質、抗生物質やステロイド剤などの医薬品、ストレスなどです。腸内の悪玉菌のえさになる砂糖やアルコ―ル、タンパク質、ペプチドも関係していると考えられいます。
リーキーガット症候群にであるかどうかを検査する方法はありません。しかし、食物アレルギーを検査することで判明します。なぜならば、ほとんどの食品に対してアレルギー反応が見られるからです。
腸の修復する前に腸に穴が開かないような腸内環境を整る必要があります。そのためには、納豆やみそ、漬物などの植物性発酵食品や乳酸菌サプリメントを摂取して、腸内細菌のバランスを整えてください。
腸粘膜は体の中で一番新陳代謝のサイクルが短く、1~3日で新しくなります。この粘膜を修復するのに、様々な栄養が必要になります。
特に、ビタミンA ビタミンC ビタミンD 亜鉛、タンパク質が必要です。次に発酵食品、生野菜、海藻、きのこ類を摂りましょう。乳製品などの動物性脂肪は控えめにしてください。
腸管の主なエネルギーとなるグルタミンも大事です。グルタミン酸は、アミノ酸のひとつで体内で合成することができます。減量となるタンパク質を充分に摂りましょう。
さらに重要なのは、よい油です。抗酸化作用や抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸です。亜麻仁油やしそ油に多いαリノレン酸、青魚などに多いEPA、DHAです。
遅発性食物アレルギーを見つけるのには、アレルギー検査をする必要があります。アレルギー反応が高い食物があった場合は、原因となる食物を一定期間、除去する必要があります。除去食を摂る場合は、栄養のバランスを崩さないようにすることが必須です。
除去食に変えることで、早くて2週間で体調が変化するのを感じるようになります。
同じカテゴリー「健康」の一覧
コエンザイムとは、補酵素のことで細胞内の化学反応の担い手である酵素の働きを助けるものです。Q10はキノンという化学構造に側鎖が10単位で連なってできているというのが名前の由来です。 コエ […]
食物アレルギーと言えば、食物を食べるとすぐにじんましんが出る、呼吸が苦しくなるなどを重い言付きます。これらすぐに症状が現れる食物アレルギーを即時性食物アレルギ […]
過敏性腸症候群(IBS)とは、主に精神的な緊張・不安・ストレスが原因で、下痢、便秘といった便通異常や 腹部膨満・腹痛・ガスなどの症状が繰り返し起こる病気をいいます。腸を検査 […]
以前に酢を原液で飲む健康法が流行しました。高い濃度のまま飲んでしまうと酸が強すぎて、口の中や食道、胃などの粘膜を荒らしたり、胸やけを起こしたりする危険性があります。酢を直接 […]
毎日食べるヨーグルトですが、どうせ食べるなら目的に合わせてヨーグルトを選びましょう。乳酸菌やビフィズス菌の種類によって、体の中での機能が異なることがわかってきている。ここで […]
人気記事ランキング
整腸・便秘に効果を発揮する様々な乳酸菌 LB81乳酸菌 ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の組み合わせています。便秘・肌荒れの改善効果の他、腸 […]
お腹のガス抜きのツボ この記事の目次 お腹のガス抜きのツボ志室の探し方志室の押し方曲がりくねった腸からガスを出す方法小腸の6点マッサージ &nb […]
小腸は胃の下にぶら下がった状態で体の中に固定されていません。適度の運動で刺激を受けるので、そこで停滞することはあまりないのです。 しかし、大腸は小腸と違って体に固定されてい […]
しつこい便秘も、同じように見えて原因によって種類が異なります。その中で弛緩性便秘は、腸のぜん動運動が弱くて起こる便秘です。この便秘は直腸まで便を運べないので、便意をもよおす […]
生体電流を調整する この記事の目次 生体電流を調整する硬貨を貼るツボはどこ?10円玉の貼るツボ 大巨1円玉の貼るツボ 人の体には微弱な生体電流が流れています […]
腸内ガス 腸内ガスを作るのは、大腸にいる腸内細菌です。食物が大腸に入ると腸内細菌が分解します。大腸の前半部分の上行結腸のあたりでは善玉菌が多く、炭水化物などを分解してガスを […]
トイレに行ってもう少しで出そうなんだけどいうときは、耳や手のひらのツボ押しをしてはどうでしょうか。ツボを押すと排便をしやすくなることでしょう。 ツボは力を入れて長時間押せば良いというもの […]
食物繊維の摂取は便秘予防に有効です。しかし、すでに便秘になっている人にとっては、たくさん食物繊維を摂取することが、 かえって便秘を悪化くせているケースがあります。 &nbs […]
過敏性腸症候群(IBS)とは、主に精神的な緊張・不安・ストレスが原因で、下痢、便秘といった便通異常や 腹部膨満・腹痛・ガスなどの症状が繰り返し起こる病気をいいます。腸を検査 […]
ひとつは梅干しを使った便通法です。梅は昔から解毒作用に優れた食品です。梅湯は梅干しを使った解毒法です。梅湯飲みは自然に下剤のような役割を果たし、薬に頼らず野菜の力だけで腸の […]
生野菜やサラダに含まれる食物繊維っていったい何か。 この記事の目次 生野菜やサラダに含まれる食物繊維っていったい何か。2種類の食物繊維は腸に対しての効果が違い。生野菜やサラダで便秘が解消 […]
記事ランキング