冷蔵庫の中にしばらく置いていた食品がまだ食べられるかどうかを迷うことがあります。 その時に参考にするのは、製造元からの賞味期限の表示です。この賞味期限というのは、どこまで信用できるのでしょうか.
1995年から賞味期限・消費期限の表示が義務づけられました。製造元が食べられる期間を 消費者に掲示されるようになりました。では、賞味期限はどのような根拠で決定しているのでしょうか。
賞味期限・消費期限を過ぎて、食べても大丈夫なのでしょうか。
賞味期限の期限を決めるために行われる3つの試験が行われます。その試験が微生物試験、理化学試験、官能試験です。
微生物試験とは、食品を培養して、微生物の数を検査します。生菌数を調べるほか、大腸菌、黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌などを個別に調べます。許容される生菌数は食品衛生法に基づいた厚生省令などの基準や規格が定められています。例えば、牛乳なら1mL当たり5万以下の生菌数、加熱した総菜なら1g当たり10万以下生菌数、生食のカキなら1g当たり5万以下生菌数というのが基準です。
理化学試験とは、食品の変化を、物理的・化学的に分析します。食品をつぶしたり、溶かしたりして成分の変化を分析したり、にごり(濁度)、ねばり(粘土)の程度を、すっぱくなっていないか(PH検査)、色の変化、油の酸性度合いなどを調査します。実際の数値は分析装置で算出します。
官能試験とは、実際に人が食べて検査をします。おいしく食べられる期限である賞味期限を設定する上で重要な試験です。見た目が変化はないかや、実際食べてみて味や食感、においに変化がないかを、項目ごとに複数の人が採点します。
その結果からおいしくなくなる日数を割り出します。安全なためその日数の7~8割の日数を賞味期限とするのが通例です。この試験から算出した賞味期限を表示をみて、めやすとして消費者の自己判断で食べることができます。
また、消費期限とは、製造日から5日以内に期限をきて、急激に劣化しやすい食品に表示されます。消費期限も賞味期限同様に上記の同じような試験を行い決定しています。劣化が早いので期限を過ぎるとリスクをとても高いです。
生卵の賞味期限はどのようにして決めるのでしょうか。
卵の賞味期限は食品衛生法で決められています。 生卵が食べられない場合は次のような場合です。
卵の殻の表面には60~1250マイクロメートルほどの小さな気孔があいています。この気孔から卵の表面について いるサルモネラ菌が入り込んでしまいます。
卵が新鮮なうちは、白身に含まれるリゾチームという酵素が菌を分解し、繁殖することを防いでいるます。時間がたつにつれて酵素の働きが失われて、卵の中で菌が増殖してしまい食べられなくなります。
酵素の働きが失われる時間というのは、卵の保存温度の影響を受けています。
保存温度が10度ときは賞味期限57日
保存温度が15度ときは賞味期限43日
保存温度が18度ときは賞味期限35日
保存温度が20度ときは賞味期限30日
保存温度が25度ときは賞味期限21日
保存温度が28度ときは賞味期限16日 とされています。
これにより、 生卵を食べれるのは、夏場では採卵後16日、冬場では採卵後57日までということになります。
また、加熱すると菌が死滅するため、充分に加熱調理すれば、期限を過ぎても少しの間だけは食べることができます。
昔の梅干しは100年前に漬けたものでも食べることができました。しかし、最近は6か月ほどの短い賞味期間の梅干しが増えてきました。
消費者の求める減塩によって塩分濃度の低い梅干しがつくられるようになったからです。
常温で1年以上保存できるのは、18%から20%以上の塩分濃度で漬けられている梅干しです。 これぐらいの濃度だとほとんどの細菌は繁殖しないです。
しかし、減塩梅干しの塩分は10%を下回るため、冷蔵庫で保管しないと菌が繁殖してしまいます。 冷蔵庫でも完全に菌の繁殖は止められないので、何年も保存することはできないです。
現在の減塩志向では、梅干しのような昔ながらの保存食でも、長期保存しにくくなっています。
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