人の皮膚や筋肉を作っているタンパク質は20種類のアミノ酸からできています。人の体内では、糖の分解過程でアミノ酸を合成する仕組みがあります。いくつかの種類のアミノ酸は体内で合成されています。それは非必須アミノ酸と言われ、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、アラニン、プロリン、システィン、チロシン、グリシン、セリンの11種類を言います。
また、20種類のアミノ酸の中には、体で必要とする量をほとんど合成できないものがあります。それらは、体の外から必ず摂取しなければなならないので必須アミノ酸と言われています。必須アミノ酸はバリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン、トレオニン、リシン、ヒスチジンの9種類を言います。
アミノ酸が体内でタンパク質を合成するのに、アミノ酸の種類の摂取バランスが大事になります。個々のアミノ酸の決められた基準値量のバランスによってタンパク質の合成量が決まってきます。
食材の中で一番値の低い制限アミノ酸の含有率が基準の値の何%かを計算したものがアミノ酸スコアと言います。すべての必須アミノ酸が基準値より多く含まれていれば、スコアは100になり、アミノ酸のバランスのいいタンパク質と言えます。
ちなみにアミノ酸スコア100の食べもの言えば、サバ、牛タン、牛サローイン(油みなし)、牛肝臓、牛乳、鶏卵です。これらアミノ酸の観点からすれば満点の食材になります。
これらの食品をたくさん食べれば良いかと思われますが、これらに含まれるタンパク質以外の栄養素の過剰摂取やカロリーオーバーに心配な点があります。肉類に多く含まれる脂質やコレステロールはダイエットや生活習慣病にとっては、取りすぎはいけません。
そのような場合には、サプリメントなどように直接アミノ酸だけを摂取するという方法があります。また、運動によって体内のアミノ酸が消費されるようなケースでも、体内に吸収の速いサプリメントで補給してあげるのがとても効果的です。
前東京大学大学院特任教授の大谷勝博士は、「以前はアミノ酸は飲むだけでは体脂肪を燃焼する効果はないといわれていたが、最近の研究ではアミノ酸のある組み合せでできたスプリンメント飲むだけで脂肪を燃焼させる効果があるということがわかってきた」と言われています。
体脂肪率(35~40%)が高い女性に、アミノ酸サプリメントを1日10g、2週間摂取したところ、食事制限なしでも約1.5kgの脂肪が筋肉に変わり、ウエストが4~6cm細くなるという実験結果があるそうです。アミノ酸の組み合わせ方によって、筋肉量を維持したまま、脂肪のみを減らすことができるいうことです。もちろん運動をするとことによってもっと効果は発揮できます。
筋肉を落とさず、脂肪だけを落とし、さらに脂肪を筋肉に変えていくには、どんなアミノ酸が必要なのか?
筋肉を作るのにもっとも必要なアミノ酸は筋肉のタンパク質の主成分は分岐鎖アミノ酸(BCCA)です。分岐した構造をもつアミノ酸で、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸を言います。運動後にこの分岐鎖アミノ酸(BCCA)を摂取すると、筋繊維の材料になるため、筋肉の合成を促進してより強い筋繊維を多くつくることができます。BCCAは体内で作ることができないため、体外からの補給が欠かせません。
また、運動をすると、筋肉はアミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンという3つのアミノ酸を消費します。 一方でBCAAは分解されると血液中にアンモニアが増えることがわかっています。 アンモニアは体内に溜まると害のある物質です。
強い負荷のかかる運動の最中にBCAAを取って60分~90分間運動を続けると血中のアンモニア濃度が上昇すると いう研究結果があります。
アンモニアはアミノ酸が分解されてできる中間代謝物で毒性を持ちます。本来は肝臓で解毒され、尿素となって腎臓でろ過されて体外に排泄されるのですが、肝臓や腎臓で処理しきれずに血中に残って、アンモニア毒は全身に回ってしまうという形になります。
アミノ酸のアルギニンは肝臓の中での解毒作用を高め、アンモニア解毒を促進させる効果があります。また、アルギニンには、マクロファージ(免疫細胞)を活性化させる働きがあり、炎症をおこした筋肉の修復を早めることができます。
体内にアンモニアが入ると脳の機能を妨げますが、グルタミン酸はアンモニアを捕らえ、酸性度を調節してグルタミンを合成します。さらにグルタミンによって筋タンパク同化を促進する作用があります。
ダイエット効果のある5種類のアミノ酸には役割的にバリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、グルタミンだと思われます。
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