緑茶と紅茶は比べてみると、見た目の色も違うし、飲んでみると味も全然違いますね。
実は緑茶も紅茶も原材料は同じ木で、学名はカメリア・シネンシス、和名は茶ノ木というツバキ科の常緑樹です。
カテキンやカフェインなどが葉や茎に多くふくでいるのはこのカメリア・シネンシスの一種類だけです。
緑茶と紅茶の違いはその製造過程でお茶の葉を発酵させるかどうかの違いによるものです。 発酵というと微生物の活動で変化させることですが、お茶の発酵は、茶葉の中にある酸化酵素による成分の酸化 をいいます。
緑茶は発酵(酸化)を行わないお茶で不発酵茶といいます。つみとったお茶の葉や茎をすぐに蒸して熱を加え て、酸化酵素を破壊して発酵(酸化)の進行を止めます。そのあと、もみながら加熱して乾燥します。
紅茶は強発酵茶といいます。茶葉をしおれさせた後、押しつぶすようにもんで細胞をこわし、空気とよくふれさせ 発酵(酸化)を十分にさせた後、もんで乾燥します。
ちなみに、ウーロン茶は半発酵茶といいます。茶葉を日なたでしおれさせ、軽く発酵(酸化)をしますが、発酵を途中で 止めたます。その後加熱して酵素の働きを止めて、もんでほぐして乾燥させます。
お茶の葉や茎の中にあるポリフェノールオキシダーゼという酸化酵素によって酸化していきます。 カテキンはポリフェノールの一種になります。
お茶には4種類のカテキンが主に含まれています。緑茶の乾燥茶葉には、 100g中10~25gは含まれており、食物繊維やタンパク質についで多い割合です。
酸化酵素のポリフェノールオキシダーゼは空気中の酸素を使って、カテキンどうしを合体させる働きがあります。この酸化反応がすすむと、カテキンは最終的にテアフラビンやテアルビジンとい物質に変化していきます。
カテキンそのものは、主に苦渋味を出しますが、テアフラビンやテアルビジンは渋みを出します。カテキンは水に溶けても無色ですが、テアフラビンは赤色、テアルビジンは褐色になります。この性質を利用して緑茶や紅茶の味や色の違いを作っています。
ウーロン茶は緑茶や紅茶より色や味の違いが豊富なのは、茶葉の発酵(酸化)の加減によってバリエーションが増えるからです。
カテキンとテアフラビンの割合によっていろいろな組合わせができるからです。
また、茶葉の発酵(酸化)が進む度合いが高いほど、当然含まれるカテキンの量が少なくなります。
それぞれのお茶のカテキン類の割合(g/乾燥茶葉100g)を下にしめします。
緑茶(煎茶)14.13g ウーロン茶10.81g 緑茶(玉露)10,04g
紅茶 8.61g プーアル茶 1.11g 緑茶(ほうじ茶)6.40g
同じ緑茶である煎茶、玉露、ほうじ茶のカテキン量の違いは、茶を日光に当てている時間の差でできます。光合成をするとと渋みのカテキンが増加し、逆に遮光して 光合成を抑えるとカテキンの増加を抑えて、うま味成分の含有比率が増加することになります。
カテキンは、ある程度の高い温度でないと溶け出しにくい成分です。80℃以上のお湯でないと カテキンはよく溶けることができません。一方、アミノ酸は50℃以上からよく溶け始めます。
うまみ成分であるアミノ酸を多く抽出したい場合は、50℃くらい(低温)でカテキンを多く抽出したいときは80℃以上の高温でお茶をいれてやればいいという ことになります。
玉露茶は、うま味を楽しむお茶なので、うま味成分であるアミノ酸を多く出して、カテキンの苦み成分をあまり出さないようにするために、50℃くらいの低温でじっくりいれればおいしく飲むことができます。
お茶の香りの成分は100℃の熱湯が一番よい温度になります。香りが特徴の玄米茶、ほうじ茶、紅茶は100℃の熱湯を使えば、香りと渋みの成分が両方引き出せることになります。
同じカテゴリー「健康」の一覧
コエンザイムとは、補酵素のことで細胞内の化学反応の担い手である酵素の働きを助けるものです。Q10はキノンという化学構造に側鎖が10単位で連なってできているというのが名前の由来です。 コエ […]
食物アレルギーと言えば、食物を食べるとすぐにじんましんが出る、呼吸が苦しくなるなどを重い言付きます。これらすぐに症状が現れる食物アレルギーを即時性食物アレルギ […]
過敏性腸症候群(IBS)とは、主に精神的な緊張・不安・ストレスが原因で、下痢、便秘といった便通異常や 腹部膨満・腹痛・ガスなどの症状が繰り返し起こる病気をいいます。腸を検査 […]
以前に酢を原液で飲む健康法が流行しました。高い濃度のまま飲んでしまうと酸が強すぎて、口の中や食道、胃などの粘膜を荒らしたり、胸やけを起こしたりする危険性があります。酢を直接 […]
毎日食べるヨーグルトですが、どうせ食べるなら目的に合わせてヨーグルトを選びましょう。乳酸菌やビフィズス菌の種類によって、体の中での機能が異なることがわかってきている。ここで […]
人気記事ランキング
整腸・便秘に効果を発揮する様々な乳酸菌 LB81乳酸菌 ブルガリア菌2038株とサーモフィラス菌1131株の組み合わせています。便秘・肌荒れの改善効果の他、腸 […]
お腹のガス抜きのツボ この記事の目次 お腹のガス抜きのツボ志室の探し方志室の押し方曲がりくねった腸からガスを出す方法小腸の6点マッサージ &nb […]
小腸は胃の下にぶら下がった状態で体の中に固定されていません。適度の運動で刺激を受けるので、そこで停滞することはあまりないのです。 しかし、大腸は小腸と違って体に固定されてい […]
しつこい便秘も、同じように見えて原因によって種類が異なります。その中で弛緩性便秘は、腸のぜん動運動が弱くて起こる便秘です。この便秘は直腸まで便を運べないので、便意をもよおす […]
生体電流を調整する この記事の目次 生体電流を調整する硬貨を貼るツボはどこ?10円玉の貼るツボ 大巨1円玉の貼るツボ 人の体には微弱な生体電流が流れています […]
腸内ガス 腸内ガスを作るのは、大腸にいる腸内細菌です。食物が大腸に入ると腸内細菌が分解します。大腸の前半部分の上行結腸のあたりでは善玉菌が多く、炭水化物などを分解してガスを […]
トイレに行ってもう少しで出そうなんだけどいうときは、耳や手のひらのツボ押しをしてはどうでしょうか。ツボを押すと排便をしやすくなることでしょう。 ツボは力を入れて長時間押せば良いというもの […]
食物繊維の摂取は便秘予防に有効です。しかし、すでに便秘になっている人にとっては、たくさん食物繊維を摂取することが、 かえって便秘を悪化くせているケースがあります。 &nbs […]
過敏性腸症候群(IBS)とは、主に精神的な緊張・不安・ストレスが原因で、下痢、便秘といった便通異常や 腹部膨満・腹痛・ガスなどの症状が繰り返し起こる病気をいいます。腸を検査 […]
ひとつは梅干しを使った便通法です。梅は昔から解毒作用に優れた食品です。梅湯は梅干しを使った解毒法です。梅湯飲みは自然に下剤のような役割を果たし、薬に頼らず野菜の力だけで腸の […]
生野菜やサラダに含まれる食物繊維っていったい何か。 この記事の目次 生野菜やサラダに含まれる食物繊維っていったい何か。2種類の食物繊維は腸に対しての効果が違い。生野菜やサラダで便秘が解消 […]
記事ランキング