便秘は腸の動きが悪くなって起こる現象です。
食べたものを順次送っていくことで、排便できるわけですから、この動きが悪くなると腸に食べものが 滞ることで便秘なってしまいます。この順次送っていく大事な動きを「ぜん動運動」と言います。
このぜん動運動というのは、 腸には巨大な腸神経系は脳から命令で動くのではなく、独立したかたちで行動しています。 腸の神経系は腸に入って来たことをその管壁の細胞で察知すると、その細胞から神経伝達物質(セロトニン)を腸神経系に送り、腸管を 囲んでいる筋肉を規則正しく動かしいます。
ぜん動運動は、実は筋肉で動かしているのです。
ぜん動運動は、食物の分解・吸収が効率的に行われるように、脳からの指令ではなく、腸独自の判断でセロトニンなどの神経伝達物質が放出されることで動いているのです。
このぜん動運動で食道から大腸までの消化管をゆっくりと食物を運んでいます。
その中で食物は小さく砕かれて、均一の状態になって酵素の反応を受けやすくなります。食物のの栄養分を完全に分解 し混ぜ合せ、腸管壁との促進をして吸収しやすくするのが、ぜん動運動の役割なのです。
腸管の断面図を見てください。腸の真ん中は空洞になっているのが管腔(食物の通り道)です。それ囲む腸壁があって、そのすぐ外側に腸粘膜と粘膜筋板があり、その外側に 腸管壁は輪走筋と縦走筋という二層の筋肉があります。
輪走筋は、腸管の進行方向に対して直交するかたちで 輪を描くように走る筋肉で、その外側の縦走筋は進行方向に対して走る筋肉です。この2つ筋肉の協調した動きで 排便につなげていくことになります。
この二層の筋肉の間には、神経網が張りめぐらせるいて、輪走筋の内側にあるのがマイスナー神経叢、 輪走筋と縦筋の間にあるのがアウエルバッハ神経叢という神経系があります。この腸神経系 と言われる神経網からの信号によって、筋肉の収縮・弛緩をコントロールして食物をゆっくりと運搬していきます。
食事をして食物が腸に達すると、小腸内ある腸クロム親和性細胞からセロトニンが放出され、放出した腸神経群と受容体と結合します。 その信号が腸の筋肉に伝わると、筋肉が収縮と弛緩を繰り返してぜん動運動が起こるしくみなのです。
この腸クロム親和性細胞から放出されるセロトニンは体内全体の90%を占め、腸のぜん動運動をコントロールしています。
ちなみに、セロトニンは、腸以外では血小板に8%、脳に2%あります。脳を正常に活動するのに深く関係していて、脳内でセロトニンが足りなくなると、うつ病や不眠症のリスクが高くなるされています。
食物がある場所の少し前の筋肉がゆるむことで食物が前へ進み、それを受けてその筋肉が縮むことでぜん動運動が起こるわけです。この巧みな動きを腸だけでつかさどっているのが不思議ですね。
食物繊維は消化されないため、大腸までの便の量を増やすことができます。便の量に腸壁から刺激され、ぜん動運動が起こり、排便がしやすくなります。目標は一日25gの食物繊維を摂りましょう。
便がやわらかいほど、大腸内の便が動きやすくなります。水をたくさん飲めば便の水分量は増えて軟らかくなるのですが、たくさんの水がどうしても飲めないという方は、酸化マグネシウムは腸内の浸透圧を高めて、腸内から水分を吸収されにくくすることができます。
マメ科の植物でセンナという植物に含まれるセンノシドというの成分は、腸のぜん動運動を活発にする作用があります。市販の便秘薬の有効成分はセンノシドが多いです。
乳酸菌や水溶性食物繊維を多く摂取することで、腸の硬直がとれてぜん動運動が活発になります。
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