以前から腸がねじれるように痛たかったり、ガスが腸に溜まっているような膨満感をありました。自分自身ではその不快感はどうにもできなかったので、いつも通院しているふつうの整体師さんのところに相談に行きました。
そこでおなかを触診してもらうと、横行結腸の位置が正常な位置ではなく、かなり下のほうに落ち込んでいると言われました。そのころは、落下腸という言葉がなかったので、腸が下がっているんだなという認識でした。
自分で触ってみても腸がどうなっているのかはよくわからいのですが、整体の先生は腸の位置がよくわかるそうです。
整体の先生は、腸を上げるために指先で腸のツボを押したり、手のひらでぐりぐりと押し上げたりして、腸を正常される位置に移動してくれました。
その後は、うそのように痛みや不快感がなくなり、まずガスが出てしばらくすると便意をもよおしました。それから以降は便秘になると通院してお世話になることにしました。
この経験からマッサージを受けて落下腸を解消することは、よく理解できていました。
しかし、通院しないと落下腸が治せなかったので、自宅で落下腸が治せる自力でできるマッサージする方法はないのかと考えていました。
その待望の自力のマッサージがありました。それが今から紹介する水木式の落下腸マッサージです。
あおむけに寝て、お尻の下にクッションを置いて腰を10cmほど浮かせます。
この姿勢は下腹部からみぞおちの方向に上げやすくするためです。次に両手の親指以外の4本の指をそれぞれそろえて、下腹部に置きます。
4本の指先を使って、おなかが軽くへこむぐらいの強さで、下から上へと動かしながらマッサージをしていきます。
下の写真のように①~⑨の順番にへそのラインまでマッサージをして、往復6回繰り返します。 所要時間1分くらいです。
下腹部持ち上げと同じ姿勢のまま、両手の親指以外の4本の指を、下の写真のようにへそを中心に左右へ10cmほど離した位置に当てます。
左右の指先でおなかが軽くへこむ程度の強さで交互にたたいていきます。
指先で上下に少しづつ動かしながらトントンと60回ほど繰り返します。 所要時間は1分くらいです。
落下腸マッサージは、朝食前と就寝前に行うのが効果的です。
猫背の姿勢の人は落下腸になりやすいので、日頃から背筋を伸ばしていい姿勢を保つことが、落下腸対策になります。
落下腸とは、以前から総腸間膜症と言われているものです。本来なら腹部の背中側に固定されている右腹部の上行結腸と左腹部の下行結腸が固定されいない腸の形態です。日本人特有に 見られる腸管形態のひとつです。
上行結腸と下行結腸が背中側からはがれて折れ曲がり、本来みぞおち付近にある横行結腸が下の方に垂れ下がっている状態です。
垂れ下がった大腸が骨盤内に折り重なると、便の通りが非常に悪くなり腹痛を伴う頑固な便秘になり困ることになります。
落下腸は、生まれつきのもので、胎児のときの成長過程において、大腸が背中にきちんと固定されていないのです。日本人で約10%が落下腸だと言われています。
ふつうは腹部のレントゲンで検査する方法です。しかし、落下腸の場合、造影剤(バリウム)を飲んで検査すると大腸のねじれの部分が細くなっているので、造影剤が引っかかってそこで固まり、 腸閉塞を起こす危険性もあるので注意が必要です。
腸管形態異常の便秘治療を行う専門医では、CTコロノグラフィー(CTコンピューター断層撮影)で立体撮影した大腸の形態を見て判断することができます。これをすることで、科学的に腸の形態が立体的にわかり、落下腸かどうか判明します。
大腸は、横になった姿勢、座った姿勢、立った姿勢で位置が変化します。特に落下腸の人は、その変化が大きく、立ち上がると重力によって大腸が下に下がます。骨盤に落ち込んだ腸の圧力で下腹部がポンと張り出します。
あおむけに寝ると背中側に大腸が移動するので、下腹はポンと出ずに普通の状態です。立ったときにだけ、下腹がポンとふくらみます。極端に状態の違いがあるのが落下腸であることがわかりやすいです。
鏡の前で立位姿勢のまま横になって下腹をチェックしましょう。
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